UCC缶コーヒー(ミルク入り)

◎ エッセイ

 

○ その他 05/25/2019

UCC缶コーヒー(ミルク入り)

 

 昭和の時代、現在(令和元年)に比べて、太った人(言葉は悪いが肥満体)が多かったと思うのは、私だけだろうか。(世代に限らず、男女共に)
 原因は色々、あるだけだろうけど、食品は甘いものが多かった。パンも全体的にいえて、デニッシュはフォンダンがたっぷりと乗って、「甘い、美味しい」と。
 平成の時代に入る頃から、甘さ離れが目立ってきて、甘さ控えめが近年まで続き、低糖食品(飲料)の増加、糖質制限する人が増えていく。「糖質の取り過ぎ=肥満の原因」は、これだけではないと言えないまでも一因としては大いに関係はするだろう。

 「UCC缶コーヒー(ミルク入り)」(UCC上島珈琲)を飲んだことはありますか?
 私は10代後半(昭和時代の終わり頃)、美味しいとよく飲んだものです。次第に、このコーヒーは、「甘すぎる」と思いだし、別の缶コーヒーに移り始めた。当時、大手食品メーカーが缶コーヒー開発に力を入れ始めた時期で、タイミングとして、甘さ離れや他メーカーのレベルの高い缶コーヒー新販売が重なっていた。時々、飲んでみたものの、やはり、ねっとりとした甘さが忘れられない。調べてみると、この缶コーヒーの売り上げが落ち始めているときでした。
 UCC缶コーヒーは、ミルク入り以外に、ハーフビター、ビターもありました。ビターは少し苦味があり、ハーフはその中間くらい。今は生産中止で販売していません。ビターの苦味は大人の気がした。次第にこの苦味を受け入れられるようになり、自分も大人になったのだなと感慨深い思いをしたのは、もう30年くらい前のことです。
 そうそう、知っていましたか? UCC缶コーヒー(ミルク入り)は、知る人ぞ知る、世界初のミルク入缶コーヒーなのです!

 以下はサイト、「COMZINE BACK  NUMBER Vol.59  UCC缶コーヒー」 より引用します。 (詳しくはネット検索にて読んでください)
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○(缶コーヒーの)開発に当たって、上島らは単なる「コーヒー」ではなく、「ミルク入りコーヒー」であることにこだわった。
○UCCが世界初の缶コーヒー「UCCコーヒーミルク入り」を発売したのは、1969年(昭和44年)の4月。値段は喫茶店のコーヒーとほぼ同じで、1本70円だった。
○缶入りの飲料は一部のジュースやコーラくらいしかなく、店頭販売や自販機でも瓶入りがほとんどだった。
○コーヒーもレギュラーコーヒーを喫茶店で飲むスタイルが一般的で、家庭でコーヒーを飲む習慣はまだ根付いていなかった。
○1970年(昭和45年)年3月、(大阪)万博を契機に注文が殺到、生産が追いつかない状況に。
○今も昔も変わらない印象のUCC缶コーヒーだが、缶のデザインは時代の節目毎に少しずつ手を入れている。現在のデザインは8代目。(この記事の当時)
○中身はほとんど手を加えていない。消費者の嗜好や時代のトレンドに合わせた微調整は行っているが、ミルク及び砂糖:コーヒーの黄金比率もほとんど変わらないという。
○缶コーヒーは、大半が「コーヒー」(100g中の生豆使用量5g以上)または「コーヒー飲料」(100g中の生豆使用量2.5g以上5g未満)に分類される。「乳飲料」に分類される缶コーヒーもあるが、数は少なく、そのほとんどはカフェオレとして販売されている。
○UCC缶コーヒーも生豆使用量ではコーヒー飲料に分類されるが、あえて「乳飲料」として登場し、それを貫いてきた。業界の歴史を振り返れば、UCC缶コーヒーはかなり異色の存在なのである。
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 平成元年(昭和64年)頃から、缶コーヒーの競争が激化する。また、お茶(紅茶)、水、炭酸飲料水など、コーヒー以外の飲料も広く飲まれるようになってゆく。平成以後、UCC上島珈琲の商品のヒットは、平成6年(1994年)発売の「UCCブラック・無糖」だけとなる。皮肉なことに、全然、甘くないブラックコーヒーなのです。

 久しぶりにUCC缶コーヒー(ミルク入り)を飲んでみるか、10年以上は飲んでないなー。とある自動販売機で売っているのは知っている。よし、「ゴクゴクゴク」
 ・・・・・・な、なんだこれは?!

     

 甘すぎるということはない。普通の甘さじゃないか。「普通」というのはあいまいだし、頭の中でこのくらいの甘さと認識しているだけで、記憶は頼りにならない。思い込みなどでいくらでも変化する。本当のところはどうなんだろうか。こうなったら、とことん調べてみる。

 UCC缶コーヒー(ミルク入り)は、1969年(昭和44年)の4月に発売。「世界初のミルク入缶コーヒー」に間違いはない。ただし、「ミルク入り」の条件が付く。
 1959年(昭和34年)1月に外山食品が『ダイヤモンド缶入りコーヒー』をすでに発売している。倒産している上に詳細は不明であるが、詳しく調べた人がいて、確かに販売経歴はあるとしている。
 数ヶ月後になると、 明治製菓が『明治コーヒードリンクス』を200g入り缶の無糖ブラックコーヒーを50円で発売。
 (以下、敬称略とします)
 1965年(昭和40年)9月14日に 島根県浜田市のコーヒー店「ヨシタケコーヒー」の店主・三浦義武が日本橋三越でミラ・コーヒーを販売。200g入り缶80円。砂糖入りミルクなし。この缶コーヒーが世界初と同市は認定している。上記の2つが先に販売しているが事情はある。同氏は、1951年(昭和26年)に喫茶を開店した同時期に缶コーヒー作りに着手していたが、メッキ技術が未熟なため、缶に穴が開いて失敗していた。大阪の製缶工場に依頼して腐食しにくい缶を開発してもらって遂に缶コーヒーの製品化に成功した。発売するが、個人のお店で売る範囲では狭く、たかだかしれている。日本橋三越で販売のきっかけとなったのは、息子の三浦浩で産経新聞の記者をしていた直属の上司、司馬遼太郎である。浩の結婚式で島根を訪れた司馬は義武と知り合り、一途な義武を気に入り、ついには缶コーヒー販売に協力するようになったという。
 かの有名な司馬遼太郎が出てきたのには大変驚いた。外山食品の缶コーヒーより先に販売されていたのは、狭い範囲ですが事実で、世界初となるようです。

缶コーヒーの表示の定義
 業界団体は製造規約を制定した。それを参考に公正取引委員会が正式に告示した『コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約』(1977年(昭和52年)制定 )に基づき次の3種類に区分する。

製品内容量100グラム中の生豆使用量
 コーヒー 5グラム以上
 コーヒー飲料 2.5グラム以上5グラム未満
 コーヒー入り清涼飲料 1グラム以上2.5グラム未満
その他の定義
 製品に乳固形分を3%以上を含むものは『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令』に基づき「乳飲料」となる(『カフェ・オ・レ』『カフェ・ラッテ』『コーヒー牛乳』など)。
 糖類、乳製品、乳化された食用油脂を使用したものに「ブラック」と表示してはならない。ただし糖類のみを使用したものに限り「加糖」と併記することで「ブラック」と表示する事ができる。
 参考までに、喫茶店などで供されるコーヒーの場合、1杯(100~150ml)あたりの生豆使用量は約10グラム程度とされる。

 上島忠雄(UCC上島珈琲の創業者)はUCC缶コーヒー(ミルク入り)を開発するにあたり、単なる「コーヒー」ではなく、「ミルク入りコーヒー」であることにこだわった。1960年代、一般家庭において乳飲料は高級品で、イメージが良い。コーヒーは苦味があり、一部の大人が飲むものとされていた。これは「売れる」と信じたが、コーヒー業界からは、「こんな商品は邪道だ。コーヒーとして認めるわけにはいかない」と無視される。それでも営業努力は続けたが結果には結びつかない。社内の落胆ムードの中、発売から1年後の大阪万博で大変な売り込みをかけ、「ミルクコーヒー」が功を奏したのか、幅広い層の支持を得ることになり、爆発的に売れ始めた。

 UCC缶コーヒー(ミルク入り)は、発売以来、10度デザインの変遷している。初代(1969年)、2代目(1978年)、3代目(1981年)、4代目(1986年)、5代目(1993年)、6代目(2000年)、7代目(2001年)、8代目(2003年)、9代目(201年)、10代目(2019年~)となっている。
 想像だが、デザインを変えたときに原材料の配合を一部、変えているのではないか。10代目は、「原材料:砂糖、牛乳、脱脂粉乳、コーヒー、全粉乳/乳化剤」となっているが、調べた限り、何代目かはわからないが、「砂糖、脱脂粉乳、コーヒー、全粉乳、乳糖、乳化剤」、「砂糖、全粉乳、コーヒー、脱脂粉乳、乳化剤」となっているものがある。
 味がだいぶ、変わったと思うのは私だけではなく、ネットの書き込みをみると、「昔はもっと甘かった」という声が多数、見受けられた。確かにそうだよな。あのときのねっとりとした甘さでまた飲んでみたいが、あのときの味をもし、続けていたら、現在まで生き残っているのかはわからない。かくいう私自身、10年以上飲んでおらず、続けてという権利は全くない。値段の安い、こういう商品は常連客に支えられているものなのだ。
 昔のUCC缶コーヒー(ミルク入り)を飲んだことがある方なら、今いちど、お飲みになると味の違いがお分かりになると思います。

 新潮文庫 「サービスの極意」 田崎真也 平成16年12月発行 P42より引用します。
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 時代によって、変わり続ける市場のニーズを察知しながら、常に変化を重ね続けてこそ、また新たな技術を投入し続けてこそ、伝統の味を保持することもできる。~中略~
 つまるところ、完成形がないばかりでなく、伝統の味も不変ではないのだ。~中略~
 単に「十分に甘い」だけで、「美味しい」と評価されがちだった。しかし、甘味が十分に行き渡り、併せて摂取カロリーの余剰が嫌われる時代となれば、強い甘みはさほど歓迎されなくなる。
 にもかかわらず、「ウチは三代続いてこの味ですから」と、狭い意味での伝統を守ることだけにこだわっていたら、その伝統は、遅かれ早かれ消えされることになる。
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 UCCミルク珈琲50周年、記念パン発売されました。(2019.4.1)
今年4月で発売50周年を迎える、「UCC上島珈琲」の看板商品「UCCミルクコーヒー」。それを記念したベーカリーが、4月2日から近畿2府4県の「ローソン」で発売される。

 このことを知ったのが5月中頃で、数軒のローソンを周ったが、すでにこのパンは販売されていなかった。時が経つのは早いがコンビニの商品の入れ替えはもっと早い。

 日清製粉のリスドォルも同年4月で販売から50周年という。同級生だったのか。リスドォルはフランスパン専用粉として、今だにトップクラスを維持しているなぁ。リスドォルの変わらぬ味は、なんとなくわかります。(意味深だけど、特に意味はありません)

 

 

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