一次発酵と捏ね上げ温度 一次発酵のポイント 捏ね上げ温度が高い、低い

◎ 作業工程

 

○ 一次発酵 06/06/2017

一次発酵と捏ね上げ温度

 

一次発酵は、出来上がった生地から成形をするまでの時間です。
そのあいだ生地は、発酵、熟成、水和などの化学的な変化が起こっています。
発酵すると生地は膨らみ、適度な膨らみ具合で一次発酵は終了となります。

膨らみ具合は、どのような生地にもよりますが、およそ1,5~2倍です。
目で見て、確認しますが、
フィンガーテストといって発酵状態を指で確認する方法もあります。
人差し指に小麦粉をつけて、生地の中央にブスっと指を刺します。(第2関節くらいまで)
発酵不足は、穴が上がってきてしまいます。(もう少し発酵させます)
発酵完了は、穴がそのまま残っている状態です。
過発酵は、穴をあけた周りの生地の空気が抜け、全体がしぼむ状態です。

発酵不足のパンは、クラムが硬く、味と風味が劣ります。
過発酵のパンは、クラムがパサパサとなり、味は淡くなり、イースト臭がします。
イーストが糖を消費しているので、焼き色も薄くなります。
的確な発酵状態を見極めることが大切です。
レシピにある一次発酵の時間と膨らみ具合が一致すれば、ベストの状態といえます。

捏ね上げ温度は、仕込み上がったばかりの生地の温度です。
発酵速度に関係するので、必ず、温度を計ります。
レシピに設定温度が書いてありますので、その温度になるように目指しますが、
あくまでも、生地の完成(グルテン形成)>捏ね上げ温度です。
グルテンの形成が適度であっての捏ね上げ温度は、あとからのものです。
捏ね上げ温度が高い、低いときは発酵の時間の調節が必要になります。

 

○ 一次発酵 06/06/2017

一次発酵のポイント

 

一次発酵のポイントは4つあります。
1、生地の状態
2、イーストの強さと量
3、捏上温度
4、環境

生地の不良(計量ミスの生地など)の根本的なミスはさておき、
生地の状態は、つまり、グルテン組織がきれいに形成されているか、です。
そのことによって、一次発酵の時間は大きく変わってきます。
捏ね不足はグルテン組織が充分に形成されておらず、
捏ね過ぎはグルテン組織を傷めている状態で生地は思ったように膨らんでくれません。

フランスパンは、あまり捏ねません。
配合がシンプルということもありますが、一次発酵を長くとり、
一次発酵で生地を作っていくという感覚で、捏ね不足というわけでなく、
作業工程全体でフランスパンのおいしさを表しているのであり、あまり捏ねないのが本来のものです。
同じように食パン生地をあまり捏ねないで生地を完成させると、そのまま不良の生地となります。

全く同じ配合であっても、イーストの強さによって、発酵速度は変わります。
強さ=発酵力ですが、質の悪いイーストを使った場合は発酵力が劣りますし、
自然種、天然酵母の作り方が良くなかったときも同様です。
発酵力が強いイーストは、イースト臭の起こりやすさと比例します。
過発酵にもなりやすく、発酵力が強い=良いイーストとは限りません。
イースト量は、発酵速度に直結しますが、パン生地の中に含まれる空気(酸素)にも限りがあり、
立ち上がりは早いですが、後半、発酵は鈍ります。
イースト臭が起こりやすいパンとなるので、イーストをむやみに増やすのは得策ではありません。
良質なイーストと適度な量がベストです。

捏ね上げ温度は、レシピにある捏ね上げ温度がベストです。
一次発酵中、イーストの活性で生地温度は自然上昇するので発酵速度は加速的に上がっていきます。
生地温度42℃辺りでイーストの活性が強く、この時点で生地が窯に入ると窯伸びを最もよくします。
捏ね上げ温度はこの窯伸びをする生地温度から逆算されて、計算の上での設定といえます。

一次発酵は、通常、自然放置で室温と湿度が関係してきます。
季節にもよりますが、それぞれ22~26℃、60~70℃くらいです。
エアコンで温度調節をしておきましょう。

 

○ 一次発酵 06/06/2017

捏ね上げ温度が高い、低いとき

 

捏ね上げ温度が設定温度より、高い、もしくは低いときはどうしたら良いでしょうか?

捏ね上げ温度が高い)2℃程度であれば、一次発酵の時間を短くして対処します。
(生地の発酵速度が早いので結果的にそうなる)
作業場の温度を低くすることも考えられます。
生地の速度は加速的に早くなるので、過発酵に注意です。
夏場は、生地温度が特に上がりやすいので捏ね上げ温度を低めにすることを心がけます。

3℃以上高くなると、より慎重に発酵状態の見極めます。
過発酵になりやすいことを常に念頭におきます。
また、一時的に冷蔵庫に入れて、生地温度を低くする方法もあります。
冬場は3℃くらい高くても問題はありません。

捏ね上げ温度が低い)捏ね上げ温度が高いときと違い、まず、生地の状態を確かめます。
生地温度はミキシングによって、摩擦により上昇するもので捏ね不足が考えられます。
冬場に多いのですが、レシピの時間通りに捏ねても、
実際には捏ねきれておらず、ミキシング不足により、生地温度が上がらなかったことが考えられます。
捏ね不足であれば、ミキシングを続けます。(「ミキシングの段階」参照に)

ミキシングが最終段階(充分なグルテン組織の形成)であっても、生地温度が低いことがあります。
そのときは、一次発酵を長くして対処します。(生地の発酵を待つ)
温室を上げることもありますが、それでも発酵しないようであれば、
発酵機(ホイロ)に入れて、生地温度を強引に上げる方法もあります。
夏場であれば、捏ね上げ温度の設定温度が多少低くても問題はありません。

捏ね上げ温度は、仕込むときの水の温度(水温)が大きな役割を果たしますが、
それだけでなく、仕込むときの部屋の温度、湿度、材料の温度、
ミキサー自体の温度など、さまざな要因が影響します。
夏場は、仕込むまでに材料を冷蔵庫で冷やしておくなどの工夫をすることができます。
仕込み水に冷水のほか、氷を使うことができます。
冬場は、材料やミキサーを温めておくにも限度がありますし、
仕込む水にしても熱すぎると、グルテンが糊化していしまい、
生地が膨らまない原因となるので、高い水温にも限度があります。
パン作りは、夏場より、冬場の方が作るのが難しいのは、
捏ね上げ温度を上げるのが難しいことがひとつの要因です。

 

 

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