グルテン組織 捏ね上げ温度

◎ パンの知識

 

○ 製パンの科学 04/20/2017

グルテン組織

 

グルテン組織
製パンは小麦粉が使用されます。作りやすく適しているからです。
小麦粉の成分である「小麦のタンパク質」による「グルテン組織」の存在です。

グルテン組織とは、「小麦粉に水を入れて、よく捏ねると団子になり、
一部を取り出して両手で引っ張ると、伸展性、粘着性、弾力性のある薄い膜」のことです。
この膜にイーストから発生する炭酸ガスを抱き込むと、風船のように膨らみます。
これが「パン生地の膨らむ原理」です。

パンの生地は、小麦粉のタンパク質のグルテニン(伸展性)、グリアジン(粘着性)によって、
伸展性、粘着性のあるグルテン組織を形成することができます。

小麦粉のタンパク質は、水に溶けず、水を吸収して保持する性質があります。
穀物の粉でグルテン組織を形成するのは、小麦粉のタンパク質(小麦タンパク)だけです。
(例外的にライ麦粉は、粘着性のグリアジンをもっているので、わずかながら膨らむことができる)

生地中の化学的変化
仕込みから作り終えた生地は、時間経過とともに刻々と変化が起こります。

○小麦粉のでんぷんは、酵素の作用により適度に分解されて、イーストの栄養源である糖になる
○イーストの働きは、糖を分解して、炭酸ガス、アルコール、芳香物質などを生成する(発酵という)
○全ての材料は、酵素の働きで複雑な化学変化が起こる(熟成という)
○小麦タンパク、でんぷんは、水を吸収する作用が進む(水和という)
発酵、熟成、水和は、パン生地中の化学的変化で、製パンの考えの基本となるものです。

生地は、適度な発酵、充分な熟成、完全に終了した水和が望ましい。
発酵>熟成>水和
右に行くほど、時間がかかります。
イーストの働きは、小麦粉の糖質以外に材料の砂糖(上白糖)を消費します。
小麦粉の成分の約70%はでんぷんであり、でんぷんはぶどう糖の分子量の大きい化合物です。

 

○ パンの化学 04/20/2017

捏ね上げ温度

 

捏ね上げ温度は、仕込から作り終えたばかりの生地の温度です。
パンの種類によって、それぞれ適切な温度があります。
(温度はレシピに載っていて、その温度になるように作ります)

イーストの活動によって、微熱ですが熱量を発生するので
パン生地は自然放置すると生地温度は上昇します。

捏ね上げ温度が高すぎると加速的に生地温度は上昇して過発酵になりやすく、
パンはイースト臭やケービングを招く原因となります。
低くすぎると、活動は極端に鈍くなり、
いつまで経っても発酵不足になりがちで、小さくて硬いパンを招く原因となります。

捏ね上げ温度は、適切な生地温度に、
生地状態(発酵)に合わせて作業を進めていくことになります。

生地の温度は、室内温度と湿度に影響するので、
室内の温度は、温度25℃前後、湿度60%程度にします。(季節によって変わります)
エアコンなどで調節するなど適切な環境作りも大切です。

イーストの機能は、充分な水、適度な温度、糖、栄養素が必須です。
イーストは、菌なので生地の温度によって活動速度は変わります。

イーストの活動速度は、生地温度25~38℃で活発になりますが、
イーストに限ったことではありません。熟成、水和も生地温度が高い方が速く進みます。
また、イースト以外の菌も活発になり、
総合的に生地は伸展性、粘着性、弾力性のある生地作りを進めています。

発酵速度は、「イーストの質や量に加えて、
生地のグルテン組織の形成具合、生地温度、環境(温度、湿度)」によって決まります。

レシピの捏ね上げ温度は、窯入れ時の生地温度が40~42℃になるように
逆算されて設定されています。
その温度帯が、最も窯伸びするからです。

 

 

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