原材料の注意点 原材料の役割

◎ 原材料

 

○ 原材料 04/13/2017

原材料の注意点

 

レシピに載っている原材料の注意点です。

配合表にある材料は、具体的なこと(メーカー、銘柄など)まで書いてあることは少ない。
水を例にします。
配合表で「水」とあれば、通常は水道水です。
水には、水道水、井戸水、市販の水などの種類があります。
普段から「飲食に水道水は使わず、市販の水しか使わない」という人であれば、
市販の水を使いたいと思いますし、水道水は使いたくないでしょう。

市販の水を使ってみた。
その市販の水がもし、極端な硬水、軟水であれば、
生地は硬すぎる、柔らかすぎるになってしまいます。
同じ量であってもです。

パンの生地は水質によって、生地の硬さ、柔らかさに違いができてしまうのです。
それは、生地やパンに影響を与えます。
その影響によって、パンがうまくできないことがあります。

日本では、製パンで水の硬度が40~120PPMのものが通常使われます。
この範囲内なら、市販の水でも問題なく使用することができます。

製パンに適した硬度は、120PPMのやや硬水です。
また、日本の水道水の平均硬度は52PPMほどですが、
全国や場所によって、かなりバラツキがあります。
(役所の水道局で、聞きたい場所の水の硬度を教えてくれます)

水の硬度が適さないものであっても、使ってみたいのなら、一度、作ってみることをお薦めします。
作ってみて、配合、作業工程を調節すれば、うまく作ることはできるはずです。

上記をまとめてみると、
1)パンの配合で水とあれば、水道水であるという知識
2)市販の水を使用したとき、水道水のときの違いがわかる判断能力
3)使用する水が、極端な硬度であったときの修正能力

パンの配合の材料を見て、このような知識と能力が必要になってきます。
水の詳しいことは、「水の役割と知識」を参照に。

水を例にあげましたが、もっと違いが出やすいのが「小麦粉」です。
小麦粉の質は、よく「タンパク質の量」」だけが取り上げれますが、
実際にみるべきところは、小麦粉全体の質です。
小麦粉のタンパク質の割合だけで、小麦粉を一括りすることはできません。

なんがか、パン作りは難しいものと思われたかもしれませんが、そんなことはないです。
とりあえず、そんなものだとお思いください。

 

○ 原材料 04/13/2017

原材料の役割

 

パンの材料は、生地とパンにどのように影響するでしょうか?

材料から生地、パンへの影響

原材料 説明
小麦粉 ベーカーズパーセント100%の材料であり、基本となります。
銘柄によって、味、風味に大きく影響を与えるものがあります。
糖類 甘味、ボリュームが出る。生地耐性を上げる。老化抑制。
生地を引き締めて、伸展性、弾力性を与える。味を調える。
牛乳、生クリーム 味、風味の良化。ボリュームが出る。生地耐性を上げる。老化抑制。
脱脂粉乳 味、風味の良化。生地を引き締める。生地の酸化防止。
生地耐性を上げる。ボリュームが出る。老化抑制。
生地の硬さの調整。生地温度の調整。
油脂 生地耐性を上げる。味、風味の良化。ボリュームが出る。老化抑制。
イースト 生地の発酵源。
一部のイースト(酵母)は、味、風味に大きく影響を与える。
イーストフード 生地の全体的な性質改良。イーストの発酵促進、水質改善など。

 

説明
○上記は全て、適量であることが条件です。
○生地耐性を上げる。老化抑制にデメリットはない。
○生地を引き締めるは、適度に発酵を抑えることで、発酵耐性を上げることを意味する。
また、パンのキメは細かくなる。
○ボリュームが出るのは、ソフトになることも意味する。
○材料が多く入ることにより、メリットはあっても、別のことでデメリットになることがある。
○同じ材料でも、パンの種類、作り方によって与える影響の大きさは変わる。
あくまでも材料から見た視点です。

 

逆引き〕(↑で大きく影響、少し↑で少し影響)

効果 材料
 味 ↑ 油脂 糖類(甘味) 塩 自然種、天然酵母
風味 ↑ 油脂 糖類  自然種、天然酵母
 乳製品の味、風味 ↑ 牛乳 生クリーム  少し↑脱脂粉乳
パンのボリューム ↑ 油脂 卵 高タンパク質の小麦粉  少し↑糖類 牛乳、生クリーム
生地耐性 ↑ 油脂 卵 糖類  少し↑牛乳、生クリーム
 老化抑制 ↑ 油脂 卵 糖類  少し↑牛乳、生クリーム
生地を引き締める↑ 塩  少し↑脱脂粉乳

 

材料が持つパンへの影響

油脂は、種類や量で、パン(生地)への影響が大きい。種類や量を熟考すること。
少量でも影響が大きいので使用量が多いと、油脂の影響がパンに出過ぎることがある。
牛乳(生クリーム)入りパンは、パンそのものを味わうには良いが、
フィリングの入るパンで、乳製品の特徴を出すのは効果が薄くなる。(それはそれでおいしいが)
油脂と牛乳(生クリーム)は、両者とも個性があり、両方とも多い生地というのはあまりない。
卵は、ほとんど無味無臭でありながら、ボリュームは出るので多く入るとパンの味は薄くなる。
副材料の使用料が多いほど、小麦粉の本来の味、風味が減少する。

ハード生地は作るのが難しいといわれますが、
それはもう生地耐性を上げる材料が入っていないからです。
味、風味を上げる材料もほとんどないので、
作り方そのものがパンの味になる。ごまかしが効かない。
全ての工程できっちり作らないと、おいしいパンにならないのです。

覚えておきたいのは、
○)生地耐性を上げる油脂、卵、糖類が適度に入っていると、生地は作りやすくなる。
○)味、風味を上げる油脂、牛乳、生クリーム、糖類が適度に入っていると、
生地は安定しておいしいパンになる。
○)老化抑制をする油脂、卵、糖類が適度に入っていると、パンの老化は遅くなる。
適度は、一定量入っていて、少なすぎず多すぎずの量です。

副材料が多いパンは、ケーキやお菓子のような安定したおいしさになる。
しかし、本来のパンのように小麦粉を味わうということがなくなる。
副材料が少ないパンは、本来の小麦粉の味、風味を味わえる。飽きがきにくい。
おいしくできれば、副材料が多いパンに負けない。
しかし、パン作りは難しくなる。

パンは、材料によって作りますから、材料の質、量をよく見極めたい。

 

 

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