老化現象

◎ パンの知識

 

○ 製パンの化学 04/20/i2017

老化現象

 

パンは、焼成後から時間が経つにつれ、水分が蒸発して硬くなる。
でんぷんの変質により、味は落ちてくる。香りの成分も蒸発して失われていく。
これらを「老化現象」という。(「老化」ともいう)
パンは、老化が遅い方が良いのはいうまでもありません。

パンのおいしさと直接、関係はないのですが、おいしいさを維持できるのは、良いパンです。
材料の関係でフランスパンは老化が早いですが、
しっかり正しく作られたものは、フランスパンであっても、おいしさは維持するものです。
材料の種類、量にかかわらず、正しく作られたものはおいしく、老化が遅いです。

でんぷんのメカニズム α(アルファ)でんぷん、β(ベータ)でんぷんについて

小麦粉は約70%がでんぷんであり、通常の状態は「βでんぷん」です。
β澱粉は水とともに加熱すると糊状態となり、この変化した糊化状態を「αでんぷん」という。
α澱粉は温度が低くなるにつれ、β澱粉に戻ろうとする。

これが、でんぷんの基本的な化学変化です。
おいしいと感じるのがαでんぷんであり、比べて、味が落ちるのがβでんぷんです。
再び、β化からα化するには150℃以上の加熱が必要となります。

パンの材料や配合、製法、焼成、パンの保存環境などで、老化現象に差は出ます。

パンの老化を遅らせるポイント

ポイント
材料 小麦粉は高タンパク質のものを使用する

吸湿性、保水力の高い材料を使用する(油脂、砂糖、卵、乳製品など)

上記の材料を多く配合する

乳化剤を使用する

トレハロースを使用する

製法  直捏法より中種法を選択する(熟成、水和が充分であるため)
 発酵  適正である(発酵不足、過発酵は老化を早くする)
 熟成  充分している
 水和  完全に終了している(結合水が多く、自由水は少なくする)
 生地 傷めていない
焼成 適正である(生焼け、焼き過ぎは老化を早くする)
仕上げ 表皮に油脂、砂糖などコーティングをすると水分の蒸発を防ぐ(硬化抑制)
環境 夏場であれば、冷蔵庫で保存すると、カビの発生を抑えることはできる

(水分が蒸発して硬くはなりやすい)

 

冷蔵庫は乾燥しやすく、ラップをしていても少しづつ乾燥して硬くなる。
後日、食べるなら冷凍庫にラップして保管すること。
(冷凍するなら、老化が進んでいない状態の方が良い)
クリーム類も冷凍保存はできるが、味は落ちる。

パンを温めるときは、電子レンジ、オーブンレンジ、オーブントースターを使い分けること。
バケットなどが、水分が飛んで硬くなっているときは、
霧吹きをして、オーブンレンジ、オーブントースターで加熱すると食べやすくなる。

 

 

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