米粉パン

◎ パンの知識

 

○ パン、菓子の種類別 06/23/2017

米粉パン

 

米粉とは
米粉は、米を製粉したものです。
米は粘り気が多いものを糯米(もちごめ)、少ないものを粳米(うるちまい)といいます。

もち米でできる粉は、主に白玉粉、餅粉です。
もち米の粉は、粘り成分が多く含まれ、水を含むと、文字通りもちっとする。餅(もち)、餅菓子の材料にするために栽培されており、日本において生産量割合は、全体の3~5%程度に過ぎない。
一般に食べられているごはんは、うるち米であり、残りの割合のほとんどを占める。

うるち米でできる粉は、主に上新粉です。
上新粉は、もち米の粉にもちっと感は劣るものの馴染みのあるごはんの味、風味がする。主に和菓子(団子、大福、米菓子など)に使われている。

米菓子で、もち米でできた大きいものを「おかき」、小さいものを「あられ」、うるち米でできたものを「せんべい」といいます。

米粉をパン生地の使用
2000年以前は、米粉はパン、洋菓子で使われることはありませんでした。
粒子が粗く、均一性に問題があったのです。後に製粉技術によって問題は解決され、製パンに使用されることになります。

米粉パンに使用される米の粉は、上新粉を使用します。
米粉=上新粉ではないですが、慣用的に「米粉」といいます。(本来、上新粉は米粉の種類のひとつです)

上新粉を米粉パンとして使用するには、微細粒化した上新粉が前提となっていて、「パン用米粉」として販売されています。パン用米粉は、粒子が細かく、かたちは均一で、割高になりますがこちらの方が適しています。

製パンで小麦粉が使われてきたのは、小麦粉のタンパク質(小麦タンパク)が、水を吸収、保持する性質によるものです。
小麦粉は、水を加えて捏ねると団子になり、グルテン組織という薄い膜を形成して、この組織によって、生地は膨らんで大きくなり、パンとなります。
穀物の粉で小麦粉だけが、しっかりしたグルテン組織を形成するタンパク質を持ちます。よって、米粉100%だけではパン生地になりません。グルテン組織を形成しないのです。(団子状になるだけで、それを薄く伸ばして焼いたのが、せんべい、おかきです)

米粉を使ったパン(米粉パン)は2つの方法があります。
1、小麦粉に米粉を加える方法
2、米粉に小麦タンパク(バイタルグルテン)を加える方法

説明
1)米粉を添加する量は、10~50%です。
10%は、小麦粉100%とほぼ同じ工程で作ることができる。だけど10%以下は米粉の特徴が出にくい。
50%以上は、生地がダレやすく、パンのボリュームも見た目から劣ることになる。20~40%使用が多い。
当然ながら、米粉の使用量が多いほど、米粉の特徴が強く出るパンとなる。
2)100%米粉のパンができるのは、バイタルグルテンを加えるからです。
各自で小麦タンパク(バイタルグルテン)を購入して加える方法と、バイタルグルテンをあらかじめ加えられたミックス粉(米粉ミックス粉)を使用する方法があります。

米粉パンの特徴
米粉パンの特徴は、何でしょうか?
米粉は、ごはんの粒であるうるち米を製粉したもので、ごはんの味、風味がします。
特性は、小麦粉に比べて、吸水性が高く、保水性は低い。
米粉パンは米の味、風味がして、食感はもちっとしっとりとしたものになります。

米粉パンは、嗜好調査によれば賛否両論があります。
賛成派は、ごはんの味、風味がして、パンとして食べるのも良い。もっちりして好き。
反対派は、パンに米の味、風味は要らない。パンが小さく重いという意見である。

米粉パンの米の味、風味、もちっとした食感、キメの細かさは小麦粉パンでは真似することのできない特徴です。
小麦粉と米粉を栄養面で比較すると、優越点がお互いにあり、大きな差異はない。
サイト上でよく米粉の方が優れているとされているが、実際は、米粉の良いところばかりが強調されているに過ぎない。

米粉パンの短所
1、パンが縮みやすい
2、ケービングになりやすい
3、老化が速い(固くなりやすいく、温め直す必要がある)
4,味、風味は時間経過と共に消失しやすい
5、パンの出来栄えに差が出やすい
6、食感は少しでも失敗すると口の中で、もごもごとしたものとなり重い
7、パン用米粉は、小麦粉の強力粉の平均価格よりかなり高い。

理由
保水性は低いので、パンの水分蒸発が早い。
吸水性が高く、パン内部の水分量は多いが、硬質な外皮を作るわけではない。
米粉のでん粉質(炭水化物)は、小麦粉のでん粉質に比べ、α化からβ化が早い。(パンの焼き立てのでん粉質の状態α化がおいしいと感じるときで、時間経過と共にβ化に戻りやすいということ)
米粉生地は機械耐性が低く、生地が傷みやすい。(失敗しやすい)
生地作りの失敗において、特徴である「もっちり感」が更に強調されて、目が詰まって更に重くなる。

米粉パンが近年(2000年以前)まで全国のパン屋で見られなかった理由は、良質な米粉がなかっただけでなく、これらの短所が大きく関係する。全国のパン屋で、米粉パンで成功していた例はあっても、よほど研究したものです。(良質な米粉が開発された理由は、これらの短所を軽減して使いやすくするためです)
米粉パンを作るには、高度な技術を要求されます。失敗しやすく、失敗すると小麦粉パンより遥かに劣るものとなります。

特殊な米粉パン
米粉パンは、小麦粉に米粉を加えたものと米粉にバイタルグルテンを加えたものと2種類になりますが、米粉100%でバイタルグルテンなしのパンも見受けられます。
どういうことでしょうか?
米粉100%のパンは、バイタルグルテンなしでは不可能ですが、特殊なケースでは可能です。
米粉100%は伸展性のないドロドロした生地で、それでも型に流し込んで、かたちを固定して、イースト、またはベーキングパウダーで膨らませてパンにする方法です。また、酵素を利用するなど研究を重ねた場合でも存在します。
これらを「パン」とするには議論の余地はありますが、小麦アレルギー対策にはなります。

米粉パンと小麦アレルギー
小麦アレルギーのアレルゲン(アレルギー原因物資)」は、小麦粉のタンパク質です。
(バイタルグルテンは、小麦粉のタンパク質を抽出したもの)
よって、「小麦タンパクなし(グルテンフリー)」 と表記されていない限り、アレルギー反応はします。
米粉パンは、上記の特殊パンでもない限り、発症するということになります。
ただし、特殊なパンであっても、通常のパン屋で作ると発祥する恐れはあります。小麦粉を扱っていれば、空気中に浮遊していて、どうしても付着するからです。(実際にパン屋で、「米粉100%+小麦タンパクなし」パンを作って食べて発症した例があります)

[今後の米粉パン]
近年、日本で米の消費の落ち込みが著しい。
米を米粉にして消費拡大を狙うのは良いことです。うまくいったときの米粉パンは、すごくおいしいです。むちゃくちゃおいしいですよ。ただ、パン屋が作りたがらない、高度な技術が必要です。
10%以下の米粉を使用しただけで、米粉パンとして通常の小麦粉パンとあまり変わりないパンもあり、米粉パンの良さを知る人が少ないということもあります。
良質な米粉パンが増えれば、米粉パンの未来も明るいでしょう。

 

 

 

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