三温糖 トレハロース

◎ 原材料

 

○ 糖類 04/224/2017

三温糖

 

三温糖は、平成12年頃から、上白糖よりコクと風味があり、
ミネラルも多いことが注目され、需要が伸びている。(過去の話です)
それまでは、一部の料理にしか使われていませんでした。

糖類の灰分の割合
グラニュー糖   0,01%
上白糖      0,03
中白糖      0,07
三温糖      0,13
黒糖       1,3~1,6

含蜜糖の黒糖はミネラルが明らかに多いが、
分蜜糖の三温糖は期待するほど入っていないのがわかります。
三温糖は上白糖より、ミネラルが多いのは確かだけれど、
世間でいわれているほど、豊富ではなく、上白糖より微量に多いだけです。

三温糖は、パン屋で採用されていることはあります。
採用していないパン屋の意見は、価格上昇、クラム(パンの内側)がくすむ。
三温糖のコクと風味は他の材料の邪魔。という声があります。
反論として、
○価格上昇はするが、業者価格で1kgで30円ほど高いだけ。
○クラムは確かに薄茶色にくすむ。この色をどれだけの人が気にするかは不明なところ。
○三温糖のコクと風味はパンに使用してもたいした影響はない。

使用にあたっては、上白糖と全く同じ作業工程です。
使用量につき、確かにクラムは薄茶色になります。

三温糖が薄茶色なのは、製造工程中で加熱回数が多いため、ショ糖がカラメル化したものです。
薄茶色は、ミネラルが多そうな感じはしますが、全然、関係ありません
メーカーによっては、カラメルで色付けしています。

黒糖は、ミネラルが多いけど、クセがあります。(他の材料が活かせなくなる)
ミネラルが多く、使いやすい砂糖は、きび糖てんさい糖です。
きび糖は、黒糖と同じ含蜜糖で、黒糖に近いこくのある味と風味がします。
てんさい糖は、材料が甜菜(てんさい)で、さっぱりとした甘みです。
サトウキビから作られる砂糖と違って、身体を温めてくれる効果があります。
両者とも、値段は上白糖の倍ほどしますが、それなりに健康志向の効果はあります。

三温糖をどう思われるでしょうか?
冒頭にある平成12年頃に見直されましたが、
現在(平成29年)は、すっかり三温糖のことは、聞かれなくなりました。
検索で、「三温糖」を調べてみれば、よくわかりますが、
成分は上白糖とあまり変わらず、効果が誇張されていたのが暴露されたからではないでしょうか。

 

○ 糖類 04/224/2017

トレハロース

 

糖類のトレハロースは、テレビCMで放映されていたこともあり、ご存知の方も多いと思います。
トレハ」は、メーカーの「株式会社 林原」の商品名です。
トレハロースを詳しく調べたいならば、「トレハロース 林原」で検索をお願いします。

株式会社 林原の「トレハ」の値段は、2㎏で750~850円です。
(業者価格で当時(平成12年頃)です。上白糖の値段の2倍以上しますが、
甘さとしての使用ではなく、効果としての利用の使用量は少ないので高いとはいえません)
元々、動植物の中にトレハロースは存在していて、人工甘味料ではありません
安心して食べられるものです。

業者の方からトレハロースの資料をいただきましたので、一部抜粋します。
『でん粉からつくられた究極の非還元性糖質、トレハ
1993年に林原(商事)は、微生物のなかに全く新しいトレハロース生成酵素を発見し、
でん粉から直接トレハロースを製造する技術を開発しました。
この技術により1995年から高純度トレハロースが工業的に大量生産されました。』

食品利用
和・洋菓子、飲料、米飯・麺等、農業、畜肉加工、製菓・製パン、
デザート、調味料、水産加工、その他

主な機構物性〕(資料によれば、他にもありますが製パン関係として)
○甘味度、甘味質 トレハの甘味度は45% 甘さの後味を残さないあっさり味
○非着色性 メイラード反応を起こさず、焼き色はつかない

主な機構特性〕(資料によれば、他にもありますが製パン関係として)
○でん粉老化防止 でん粉の老化防止に優れる。(低温、冷凍環境にも優れる)
○たんぱく質変性防止 たんぱく質の変性防止に優れる。(冷凍、冷蔵、乾燥環境にも優れる)
○糖質の変敗抑制 油脂構成成分の油脂酸の分解を抑制
○矯味、矯香作用 味、香り、臭いの調整

機能特性は、まだまだありますが、これだけ見ても、
あらゆる食品に有効であり、利用されてるのがわかります。
(食品の使用原材料欄にトレハロース、と書かれていることがよくあります)

製パンでの使用量
製パンでのトレハロース使用量は、ベーカーズパーセントで1,5~2,5%です。
幅があるのは本来の砂糖の比率に関係しています。
砂糖8~10%で1,5%、10~15%で2%、15~25%で2,5%を
本来のレシピから入れ替えて使用します。
(これは個人的に研究した内容で、公式発表ではありません)

バターロール生地の上白糖10%→上白糖8%+トレハロ2%にアレンジしたところ、
焼成で焼き色は薄くなり、味覚は少し薄くなりました。
その他の作業工程は同じです。
トレハロースの機能物性がそのまま出たかたちですが、
甘味度45%は機械で測った数値で、味覚感覚ではもっと甘味度は低いと感じました。
焼成は調整できるにしろ、上白糖は配合の調整が必要です。(上白糖を増やすなど)

製パンでのトレハ使用のの影響(メリット)
○生地の耐冷凍性向上
○老化抑制
○油脂の変敗抑制
○イースト臭抑制

製パンでのトレハ使用の影響(デメリット)
パン屋で使用した場合のデメリットです。
○原価の上昇
○計量時に量る手間
○レシピ、焼成の修正
○店頭でトレハロース使用と書いても健康とは関係ないので意味がない
○老化抑制は、パンではいまいち効果がわかりにくい
○焼きたてパンを提供していると、効果が薄い

トレハロースは、見た目、味覚、食感、触感、香りなどを特に良くするわけでない。
(パンで特に重要な部分ではないところを改善。良くはならないが悪くなるのを防ぐ効果)
パンの種類にもよるけど、焼きたてパン用には不向き

デメリットのフォロー
トレハロースの性能が悪いわけではありません。
原価上昇や計量の手間やレシピ修正は、性能とは関係ない。
製パンでの使用は、リッチな配合でメリットになる。
リッチな生地は焼成で、焼き色が付きにくくなるのは焦げにくくなること。
リッチなパンは元々、少し時間経過した方がおいしいですが、そのおいしさが持続することになる。

効果的な使い方(個人的見解)
リーンな生地には向かない。食パン生地、リッチな生地、デニッシュ生地には合う。
菓子生地、バターロール生地は好み。
クッキー類には合わないけど、ケーキ類にはすごく合います。
夏場は、カビ問題、イースト臭対策に効果的。
冬場は、寒くてパンは硬化しやすいので硬化防止に効果的。

トレハのパン屋使用での現実
製パン業者に尋ねてみました。
トレハロースは常時、取り扱っていますか?
5社中、2社です。(ただし、どこも取り寄せ発注は可能)
地域によって差があるし、尋ねた業者も少ないのですが意外でした。
(取り置きできないのではなく、人気がないから取り寄せ発注になる)
業者の人に聞いてみると、パン屋から数件、問い合わせがあったけど、
サンプルを渡してもそのまま立ち消えになった例も多かったとか。
明らかにトレハロースのデメリットが気になるからです。
株式会社 林原は製パン屋業者に力を入れて売り込みをしている様子はずっとありません。
あらゆる食品に使えるために製パン屋業者にまで手が回らないのか。
実際、製パン以外にどれだけ利用されているのかは不明です。

家で作るパンにトレハ使用はどうでしょうか。
焼きたてパンに使うものではないし、パンを正しく作ることが先決です。
適正な作業工程をすれば、パンは思いのほか老化抑制力はあります。
ケーキなどには良いけど、パンにはあえて使うことはありません。

 

 

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