製法の要点と種類 直捏法と中種法 中種法のコツ

◎ パン作り

 

○ レシピ・配合・製法 04/15/2017

製法の要点と種類

 

パンの製法とは、パン作りの方法です。
製法は、改良や工夫を重ねられてきました。
製法の違いによって、パンの味、風味、食感などおいしさの特徴は変わります。
難易度が高い、低い。時間のかかるものや、あまりかからないものがあります。

製法の要点
○製法によって、作業工程、所要時間、難易度などが違う。
○製法はよって、パンは味、風味、ボリューム、老化の早さなどあらゆることが違う。
○製法で、全てにおいて優れているものはない。(長所、短所がある)
○ある材料を使用すると、その材料による特有の製法になることがある。(天然酵母など)

製法の種類
製法は、おおまかに上記3つに分類にできます。(4は、1~3の製法の補助的なものです)
1、直捏法(ストレート法)
2、中種法(スポンジ法)
3、発酵種、液種を使用する
4、補助的な製法

製法はたくさんありますが、直捏法と中種法に属するものが多く、
その他として、発酵に関する、発酵種、液種を使用する方法があります。

中種法は以下の条件があります。
1、種作りに配合の小麦粉(穀物の粉)を50%以上使用すること
2、種は最低2時間以上寝かすこと
条件を満たしていなければ、その他の製法です。

製法は、小麦粉(穀物の粉)の熟成と水和、パン種(発酵)を中心に考えられたもので
パンのおいしさは、熟成、発酵、水和ということになります。

直捏法の種類
○)(通常の)直捏法
全材料から、油脂を途中から混入する方法で、一般的な直捏法です。
(他の材料と混ざらないようにイーストを途中混入するときもあります)
○)オールイン
全ての材料をはじめから混入する方法で、歯切れのよいパンができる。
油脂を投入するため、水は小麦粉への水和が遅れるなどの欠点がある。
(油膜がグルテン組織の初期形成を妨害してしまうため。このため歯切れはよい)
必要以上に混捏時間は長くなり、吸水は減ってしまうこともある。
クロワッサン、デニッシュ、フランスパン、セミハード生地などに使用される。
○)オートリーズ法
水と小麦粉のみを最初に捏ねて、そのあと生地を30分ぐらい休ませてから、
他の材料を足して、ミキシングを再開する。
○)速成法
イースト量を増やす、捏ね上げ温度を高くする。添加剤を使用するなどして、
パン作りの時間を短縮する。味、風味に劣り、老化も早く、焼き立てでないとおいしくない。
○)低温長時間発酵法(オーバーナイト法)
速成法と正反対の製法。じっくりと生地を発酵、熟成、水和をさせる。
時間がかかり、生地管理が大変なのが難点。
(オーバーナイトは直訳すれば、夜通しで、前日に仕込んだ生地(種)を翌日、使うという意味)

中種法の種類
○)70%中種法
中種法はこの割合が一般的です。
中種は50~100%までありますが、70%がバランス的によい。
○)100%中種法
100%中種は、本捏で生地作りが難しい。現在では使用されることはほとんどありません。
○)加糖中種法
菓子パン生地で使用される。
糖分が多いので、中種に上白糖を加えて、生地に耐糖性を上げる目的があります。
生地の安定感を求めれば、この製法になります。
○)冷蔵中種法
中種を冷蔵庫で数時間(1日)以上、寝かせて、熟成、水和を促進させる。
○)オーバーナイト中種法
冷蔵庫中種法と違い、中種を冷蔵するとは限らない。
中種を長時間、寝かすという意味では同じ。
○)湯種法 小麦粉の一部を熟湯で捏ねて、でんぶんを糊化させたものを中種として使う。
パンの内相はキメが細かく、もっちりとした食感、小麦粉の甘みが出るのが特徴。
手間がかかり、難易度は高い。

発酵種、液種
○)サワー種法 ライ麦パンに使用される、というよりセットです。
小麦粉(または、ライ麦、混合したもの)と水で、サワー種を作ります。乳酸菌による酸味が特徴。
○)ポーリッシュ法
仕込み量の20~40%の小麦粉を液種として作ります。
種に使う吸水は、小麦粉と同量です。
液種は2~3時間ほど室温に置き、その後冷蔵で12~24時間熟成させて本捏をします。
○)ルヴァン種法
ルヴァン(仏語)は発酵種という意味です。
小麦粉、ライ麦粉、水を合わせて作った発酵種で、乳酸菌が特徴。
フランスでは、自然界に存在する野生酵母を培養した種(ルヴァン種)によって
作られる製法の総称として使われます。
注意点として、ルヴァン種法が日本に紹介されたとき、老麺法としてされたことがあり、
後記する老麺法とごっちゃになった経緯がありますが、中身は全然違います。

その他
○)後塩法
生地が出来上がる1~2分前に塩を混入する。
塩は水を生地を引き締める作用があり、塩を後半に混入することにより、
水和を潤滑にして、グルテン組織を円滑にするので機械耐性は上がり、吸水率が上がる。
特にハード生地に効果的。
○)老麺法
すでに完成されたリーンな生地、または同じ生地を10~20%入れます。
発酵は安定して、生地耐性も上がる。パン屋では前日の余った生地で利用されることが多い。
○)二度捏法(再捏法)
生地を作る途中で、一旦、休ませて数分後、再開する。
生地として安定はするが、毎回同じものを作ろうとすると生地管理が大変。
パン屋で使用することはないが、家でパンを作るときは有効です。(特に手捏ねの場合)

 

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直捏法と中種法

 

製法で代表的なのは、「直捏法(ストレート法)」と「中種法(スポンジ法)」です。
日本では、直捏法(じかごねほう)は、ストレート法とすることが多く、
中種法は、スポンジ法と呼ばれることは、ほとんどない。
多くは、ストレート法と中種法となっています。
ただ、ストレート法と中種法だと、カタカナと漢字の組み合わせで、
それはそれで変で、本サイトでは漢字で統一しています。

直捏法
直捏法は、はじめから全ての材料をまとめて、生地を作っていきます。
(油脂は途中から入れます)

中種法
中種法は、配合の一部の材料(小麦粉、水、イーストなど)から「種(中種)」を作り、
中種を充分、発酵、熟成、水和させて、この中種と残りの材料を加えた上で、
再び、生地作り(本捏)をして、生地を作っていきます。
(油脂の途中投入は同じ)

直捏法と中種法の長所と欠点です。

直捏法の長所と欠点
<長所>
1、味、風味がよい
2、発酵時間が短い。(作業効率がよい)
3、作業工程がわかりやすい
<短所>
1、パンの老化が早い
2、生地耐性が中種方に比べて、劣る
3、ボリュームが中種方に比べて、劣る
4、内相の気泡(スダチ)が粗く、表皮が厚い

中種法の長所と欠点
<長所>
1、パンの老化が遅い
2、生地耐性が高い
3、ボリュームが出て、ソフトになる
4、スダチのかたちは整い、表皮は薄い
<短所>
1、中種を作る手間が要り、管理が必要
2、味と風味は、直捏法に劣る。
3、工程所要時間が長い

直捏法と中種法の要点
両者の違いでよくいわれることは、
直捏法は、味、風味が良く、作りやすい。
反面、パンにバラツキができやすく、老化が早い。
中種法は、ボリュームが出て、ソフト。老化が遅い。パンに安定感がある。
反面、味、風味が直捏法に劣る。中種を作る手間がかかる。

両者の違いを出してるのは、ただひとつ「中種」の存在です。
中種法は生地を作る段階で、一部が発酵、熟成、水和を終えているので、
これらの利点(長所)を備えているのです。

直捏法と中種法の注意点
両者の長所、短所は、製法の特徴ですが、
正しくきっちりと作れば、どちらの製法であってもおいしいパンとなります。
違いといえば、おいしさの特徴の違いと言いましょうか。
ようは、製法より基本的な生地の発酵の見極め方、取り扱いをしっかりしないと、
製法うんぬんの話では、ないことになります。

家でパンを作る場合は、直捏法をお薦めします。
中種法は、中種を作る手間や管理、作業工程の長さが不向きであり、
直捏法は、すぐに生地を作り始めることができて、
作業工程のわかりやすさがあります。

 

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中種法のコツ

 

本サイトでは、製法は直捏法を中心にしていますが、
中種法のコツも加えておきます。

中種法のコツ
中種法は、配合の一部で中種を作ります。
この中種が命です。中種法は。
結論して、それにつきます。終わり。
あっ、いや、冗談です。
でもそれくらい、中種が大事です。

仕込み以降の生地の取扱いは、
直捏法と同じですが、中種法で作った生地は安定しています。
なにせ、生地耐性が高い。
同じ材料で製法違いで比べてみると、すぐに実感できるはず。ぜんぜん違います。
大手が作るパンが中種法を採用するのは、生地とパンの安定感(老化抑制も含めて)によります。

ただし、中種法の生地の安定感は条件があります。
しっかりした中種中種を適正なタイミングで本捏で使っているか。
この2つです。
もし、いい加減な中種、発酵不足、過発酵な中種を本捏で使うと、
もう取り返しはできません。

仕込みで、いくら正確にしても、
発酵不足な中種を使用すると、発酵不足な生地として、二次発酵までずっと影響は続き、
過発酵な中種なら、過発酵な生地として、ずっと影響は続きます。
中種法は、中種が命といった理由はそこにあります。

パン作りは減点法を参考までにしますと、
中種法は、中種で失敗すると、その時点で大幅に減点。
その代わり、減点されずに生地作りまで成功すると、
あとは、減点ポイントの点数は低くなります。
製法は違いますが、湯種法、ポーリッシュ法、老麺法でも同じことがいえます。

中種法は、直捏法と比べて、中種作りと管理という大変さがありますが、
良い生地さえ作れば、安定感、ボリューム、ソフト、老化が遅い
という利点があります。

 

 

 

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