製法の違いによる謎

◎ 原材料

 

○ レシピ・配合・製法 06/15/2017

製法の違いによる謎

 

製パンについて、わからないことや謎は多くあります。
そう疑問に思い続けてきたことがあり、そのひとつです。
「直捏法と中種法の違いで、直捏法の方が味、風味は良いのは、なぜか?」

いろいろ調べてみましたが、その意見が圧倒的です。
パン関係の知人もそう言いますし、
ドンクの会社方針でも、直捏法しかしないと公言してします。
理屈だけで考えると、直捏法より中種法の方が熟成、水和を充分しており、
その方がパンはおいしいはずではないか。
理論が逆転しているのです。

低温長時間発酵法(オーバーナイト法)、ポーリッシュ法にしても、
生地を熟成させるために、わざわざ一次発酵を長くする、粉と水を事前に仕込む。
という手間や時間をかけてまで行っているのです。
中種法の方が生地は熟成、水和をしている。これは間違いない。そういう製法なのです。
では、なぜ、パンは直捏法の方が味と風味は良いと言われるのか?

直捏法の速成法と低温長時間発酵法で、同じ材料で作った場合、
明らかに後者の方がおいしい。(時間経過とともに、誰がどう食べてもわかります)
小麦粉は熟成、水和が進んでいる方がおいしいのは紛れもない事実。
そこで、おいしいパンはどういうパンか? と、考えるときに気付くわけです。
中種法の条件は、50%以上の中種を作る。
(50%以上といっても、実際は70%前後が多いので70%とします)
その中種によって、ボリュームが出てソフトになる。
これが特徴であり、長所であるけど、パンが大きくなると味は薄れてしまうんですよね。
材料の特徴が見えにくくなってしまう。ソフトになるのは歯応えが薄れる。

直捏法のパンは、中種法と比べて、小さいが味としてはっきり出る、歯応えもある。
おいしいという基準が違うのです。
大きくて柔らかいパンがおいしいという基準でいけば、中種法です。
スーパーやコンビニに売っている大手のパンは、大きくてソフトですが、
大手が作るパンのほとんどは、中種法を採用しています。
それでああいうパンになっているのですね。
重量の大きさの関係もありますが、明らかに中種法のパンの特徴が出ています。

始めに戻って、よく見れば、直捏法より中種法の方がおいしいとは言っていません。
「味が良い」と言っていました。味を基準としてのおいしさでした。

あと、直捏法の方が「風味が良い」とされています。
中種法は、70%の中種を充分、熟成させます。
そのとき、生地はHP(ペーハー)が下がり、生地は酸化していきます。
そのときに菌は耐えきれず死滅していきます。生き残るのは、酸化に強い乳酸菌と発酵菌です。
イーストによる酢酸菌の匂いも目立ってきます。
パン生地を熟成していくと、風味が落ちるのは化学的にそうなります。
大手のパンは、発酵風味剤やらを材料に入れるのは、そういうことです。
(別に入れなくてもパンとして悪いものではないのですが、入れたがります)

「直捏法と中種法の違いで、直捏法の方が味、風味は良いのは、なぜか?」
製パンでの疑問として、おいしさの基準が違う。そう結論付けました。

 

 

 

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