漢字の違い

◎ パンの知識

 

○ 言葉の基礎知識

漢字の違い

 

漢字は難しい。
早い、速いは、同じ「はやい」でも、意味はまったく違う。時間と速度の違いですね。

実際にあったことですが、町の通りを歩いていると、ふと、気付きました。
でんき店」が、100メートルの範囲内に3軒もありました。
特に珍しくないのですが、何かが違う。戻って確かめてみると、やはりそうでした。
看板の漢字がみんな違うのです。「電気店」、「電器店」、「電機店
なぜ、そんなことに? 家に帰って調べてみました。

でんき店は、元々、電気関連の器具(照明器具、電球など)を販売していたため電器店になりますが、
電気工事を主体とした電気店、 家電製品の販売を主体とした電機店もありました。
現在、でんき店は電気関係なら、何でも販売、工事をすることが多くなり、
どの表記でも間違いではなく、決まった形がないだけでした。
3店とも個人経営でしたが、得意分野でアピールするためなのか、好きに付けていたのですね。

パンのことでも似たようなことがあります。
かま」は、「」、「」のどっちなのだ?
辞書によると、 前者は、ものを高温で焼いたり、溶解する機械、設備、
後者は、飯を炊くのに用いる金属製の器、又、茶道で湯を沸かす器です。

パンを焼くオーブンは、辞書によるとですが、検索で、「オーブン」とすると、
パンのオーブンの会社で「」を使っているのです。
まさか、オーブンの会社が間違えたりしないですよね。疑問です。
会社の人に聞いてみると、結果は「でんき店」と同じでした。
パンのオーブンの会社でも、スタートは釜関連からのところもあり、
年数が経って、パンのオーブンを作るようになっても釜に愛着があり、そのまま釜で通しているようです。
漢字の表記間違いではなく、法律違反でもありません。

パンを発酵させる「発酵機」、「発酵器」も、どちらが正しいかはありません。
「機」は機械、「器」は道具、という意味があります。
私からすると、機ですが、これはパン屋用の大きい発酵機を連想するからであり、
家にある発酵機は小さく、機械というより道具に近く、 家でパンを作る人は発酵器という人が多いようです。

他の例でいうと、
大阪にある前田産業株式会社は、現在、製粉業社ですが、
会社の始まりは、そうではありませんでした。
チューペットやミルトンなどを作っていました。
(生産は中止しています。ニュースにもなりました。製粉業に専念しています)

生地の「はっこう」は、発酵醗酵と2つありますが、
前者は常用漢字で、後者は常用外漢字です。
昔は、「醗酵」でしたが、のちに「発酵」と漢字改正となりました。
現在は発酵が正しいのですが、現在でも「醗酵」と表記していることがあります。
昔の「醗酵」の流れで、あえてそうしているためなのか、
「醗酵」が常用外漢字と知らないためなのかは、よくわかりません。
(常用外の漢字なので、昔からの名詞以外は、通常は使うべきではないのですが)
同じ言葉の漢字でも、自由にできることがあって、
他人から見ると、その使い分けを読み取るのは難しいですね。

 

 

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