なぜ、計量ミスなのか? 計量ミスの修正

◎ 作業工程

 

○ 計量 04/23/2017

なぜ、計量ミスなのか?

 

なぜ、計量ミスをしてしまうのでしょうか? いくつかの理由があります。

1、基本を守っていない
何事も基本は大事ですが、計量でも基本を守っていないとミスは起こりやすくなります。
2、集中できる状況ではなかった
なんとなくスーと量ったときは、ミスが多い。
計量は、集中力で量るものです。
疲れているときなど、集中できないときはしない方が良い
それでも、どうしても量らないといけないときは、
「集中、集中」と意識して量れば、ミスの確率は減ります。
間違えやすくなっているのを自覚するのです。
3、変なクセがある
天秤量りのおもりの100gを200gに間違えてしまう。
デジタル量りの100gの表示を200gに見間違えてしまう。
人によって、なぜか、変なクセがあります。
一度や二度ではなく、なぜか何度も間違えてしまうのです。
(それをクセというのですが)
そういうクセがある人は、自分でよく間違えることを認識して、
クセのときを特に集中することです。
4、いつもは同じ仕込み量が、今日は違う量だった
例えば、いつも10kg仕込みの食パンを作っているとします。
ある日、突然、8kg仕込みに変えたとき、
材料の一部を10kg仕込みの割合に、量ってしまうときがあるのです。
体が覚えてしまっていて、勝手に反応してしまったというか、
無意識に10kg仕込み仕様なってしまっているのです。
いつもと違う仕込みの量と強く認識して量らないといけない。
5、別の材料の割合を量ってしまった
例えば、糖類を量ろうと思ったのに、塩の割合で糖類を量ってしまった。などです。
計量の途中、別のことを考えて、考え戻したときになりやすい。
6、違う生地の材料の割合にしてしまった
次にあの生地を量るなど、頭で考えたことが、現状の計量とリンクしてしまうことがあります。
今、この計量だけを集中することです。

説明
1と2は、計量の基本に関することで、
計量は、やはり「基本を守る」、「集中して量る」ことを守るしかないです。
3は、集中していてもクセなので、時折、顔を出すことがあるのですが、
自分のクセをわかっていることが大切です。
4、5、6は集中力が欠けていたといえば、それまでですが、
条件反射のようにしてしまうことがあるのです。

仕込みの途中、計量ミスが疑われたとき、何の材料か? 量は?
となるのですが、上記のことがわかっていると、判明することがあります。
1、2は反省でしかないのですが、
3~6は、もしかしたら……!? と、一度、確かめてみてください。
計量ミスの原因がわかるかもしれません。

 

○ 計量 04/23/2017

計量ミスの修正

 

ミキシングのときに生地の様子が明らかに違う……。
計量ミスの材料の原因はわかったが、どうすればよいのか?

一部の材料がなかった、又は、少なかった場合
気付いたのが途中なら、すぐにその材料を足す。
出来上がった生地なら、ミキサーに戻して、材料を足します。
そのあと、ミキシングをして、ミキシングオーバー(捏ね過ぎ)になることが多いですが、
それでも、生地としてまとめます。
あとは、「ミキシングオーバー」、「捏ね上げ温度が予定より高い」に気をつけて
作業工程を修正して進めます。
なお、出来上がった生地に、不足していた材料を足す場合、
少なくとも低速は1分、高速1分以上はミキシングします。
足した材料の一部が生地に残らないように均等に混ぜ合わせるためです。
イーストや塩など少量の材料は、少し水を足して合わせた方が混ざりやすい。

一部の材料が多かった場合
基本的には、多かった材料に合わせて、他の材料の分量を計算して足します。
あとは、上記と同じように気をつけて、作業工程を修正して進めます。
上記の「基本的には」なのは、他の材料を足すと、
あまりにも生地量が多くなりすぎることがあります。
この多すぎる生地量は、通常に作った生地に比べて、修正が入っており、
よいパンができない可能性があります。
そんな生地を大量に作ってもあとでまた困ることになります。
他の材料を全部、足さずに一部を足すだけにすることもひとつの手です。
生地の水が多ければ(生地が柔らかい)、小麦粉、少量の塩、イーストなどを足す。
小麦粉が多ければ(生地が硬い)、水、少量の塩、イーストなどを足します。
もちろん、はじめに予定した配合とは変わり、違うパンになりますが、
計量ミスした時点で、これはもうしょうがないのです。
とりあえず、生地として完成させることが先決です。

生地としての完成とは、
○生地の硬さ(伸展性、弾力性)をほどよくする。
○イーストの量を適切と思える量にする。
この2つが重要です。
この2つさえ、きちんとしておけば、パンとして成立する可能性はあります。
なお、上記した材料の増減で完成した生地は、例えば、
食パンを作る予定であったとしても、食パンとして完成させる必要はないです。
食パンにしても良いのですが、バターロール、揚げパン、あんぱんにするなど、
材料の増減で、別のパンの種類に合いそうなら、別のパンにするのも手です。

計量ミスの材料の原因が、どうしてもわからない。どうすればよいのか?
どうしても、ミキシング時の生地の異変の原因がわからない。
こういう場合、上記した「とりあえず、生地として完成させる」にすることです。
(小麦粉、水、イーストなどで増減する)
どうしても原因がわからないときは、最終的にもうこれしか方法がないのです。
発酵しない。硬すぎる、柔らかすぎる生地は、生地として成り立っておらず、
パンになっても、全然、おいしくないからです。

計量ミスしていた生地はどうするのか?
パン屋の場合、計量ミスの度合いにより、いくつか考えられます。
1、そのまま同じ商品(パン)として店頭に並べる
2、生地を小さく分けて、冷凍して、後に作る生地に少しずつ混入していく
3、違うパンとして、限定的なオリジナルのパンとして、店頭に並べる
4、生地を捨てる

説明
1)計量ミスにすぐに気付き、原因の材料もはっきりしていて、従来のパンとあまり違いはない、と思える場合です。
2)古生地として、再利用するかたちですが、混入する生地にあまり影響が出ないと思える場合だけです。
3)そのパンが、パン屋のパンとして商品価値があるのかが問題です。商品価値が低い場合は、捨てます。
4)もったいないなどと、言っていられないです。捨てた方が精神的にスッキリします。
※フランスパン生地で計量ミスをした場合、「生地の違いは、あまりない」はない。
フランスパン生地は繊細なので、計量ミスでミキシングした時点で、
すでにおいしいパンはかなり難しい。2~4になります。

計量ミスは、どんなパン屋でも年に1、2度はあるようです。その度にガーンときて、がっくりきます。
(これを耐えられる人は、強靭な精神力の持ち主か熟練したレベルでなんとかしてやると逆に燃えるタイプです)

計量ミスは、いつでも怖いことです。
といっても計量ミスは、新たな発見に繋がることが多い。
それは事実です。

計量ミスによっては、普段できないようなこと、
例えば、オーバーミキシングはどこまでなのか? 時間は?
オーバーミキシングした生地はどういうパンになるのか?
生地が硬いと、水ではなく、卵だけどんどん足してどういうパンになるのか?
実験的に試してみて、わからなかったことがわかるようになります。

上記したオリジナルのパンが、なぜか、とてつもなくおいしかったこともあります。
(再現できないのは残念ですが、のちの参考にはなります)
失敗は成功の元と言いますが、失敗は仕方がない。
計量ミスの失敗は、失敗として、いかに次の成功に繋げるか、です。
開き直って、製パンとしての発見を見つけ出すチャンスだと捉え、何かを掴んでください。
そうすれば、計量ミスもミスだけでなく、ステップアップのきっかけとなります。

 

 

戻る←計量ミス1  仕込みの基本→進む

 

コメント